体外受精設備と管理体制EQUIPMENT

培養液の管理

培養液は、受精卵(胚)にとって移植・凍結に至るまでの時間を過ごす大切な環境です。
受精卵(胚)の培養環境は、体外受精の成績を左右するほど体外受精を行う上で重要なポイントになります。そのため、培養液の選択と管理は、安定した培養成績を維持するために大変重要です。
当クリニックでは、最良の培養液を最良の環境で使用できるよう、Lot管理などの日々のQuality Controlをはじめ、様々な学会等で最新の知見を学んでいます。

培養室内の設備と管理

  • 培養室内はヘパフィルターを設置して24時間空調管理を行い、オペ室と同程度の空気清浄度を保っています。
  • 培養室の機器には、停電による運転停止を防止するための自家発電機を設置しています。また、受精卵(胚)を育てる培養庫は、温度・ガス濃度等のデータを24時間記録・管理しており、異常発生時には培養士に自動的に連絡が入るシステムになっています。
  • 凍結して保存してある受精卵(胚)・精子は、施錠できる凍結タンク専用の部屋で安全に管理しています。

患者様の検体取り違い防止策

  • 1人の培養士が1台の作業台で1人の患者様の検体(卵子・精子・胚)だけを扱うようにしており、検体の取り違いが起こり得ない状況で作業を行っています。他の患者様の検体が同時に同じ作業台に置かれることはありません。
  • 作業を行う際には必ず2人の培養士により、作業内容や患者様のフルネームと固有の色をダブルチェック体制で確認しています。

体外受精における全培養過程をタイムラプスインキュベーターで培養

タイムラプスインキュベーターとは?

タイムラプスシステムは、内蔵カメラと顕微鏡を備えたインキュベーター(培養庫)の中で、胚の画像を10分毎などの一定間隔で写真撮影を行い、その写真を連続で写すことにより動画のように見る技術です。

タイムラプスインキュベーター イメージ画像1
タイムラプスインキュベーター イメージ画像2

タイムラプスインキュベーターのメリット

従来のインキュベーターでは、胚の発育状況を観察するのにインキュベーターから外に取り出し、顕微鏡下で観察する必要がありました。
しかし、胚にとってインキュベターの外はストレスがかかる環境です。タイムラプスインキュベーターを用いることで、胚の観察の際にインキュベーターから取り出す必要がなくなり、培養環境が向上します。

当院では、タイムラプスインキュベーターを受精確認から導入しており、通常の定時の観察では見逃されていた受精卵をきちんと受精卵と判定することが可能となりました。その結果、図のように受精率が5%以上上昇しました。
また、全培養過程をタイムラプスインキュベーターを用いて培養することで、正確な受精確認はもとより、さらに安定的な培養環境を提供することができるようになっています。

受精の確認方法による受精率の違い

KLCでは患者様のお考えやご希望を尊重したうえで、
質の高い体外受精の提供を目指しています。

培養室には最高水準の技術と経験を持ったエンブリオロジスト(胚培養士)が常勤しており、採卵から子宮内に将来赤ちゃんとなる胚が無事に戻るまで、最適な環境を作っています。

常に技術を磨き、最高水準を保っています。

KLCのエンブリオロジストは、精子調整、精液検査、体外受精、顕微授精、胚移植、胚・精子の凍結、アシステッド・ハッチング(レーザー法)など最高水準の技術を持ち、日々進歩している技術や知識を得るために学会や研究会へも積極的に参加して、常に先端の情報収集に努めております。 そして、患者様からお預かりした大切な卵子や精子、胚を高いレベルの技術でできる限りダメージを与えないよう心がけて管理しております。

高度な設備機器による、ベストな環境づくりを行っています。

KLCの培養室は室内空調および培養器内に活性炭フィルターと高精度ヘパフィルターを設置しており、クリーンな環境の中でのあらゆる作業が行われます。さらに、緊急時に備えて自家発電機を設置し、停電時 にも最適な環境が守れるバックアップ体制の強化と精度管理に努めています。

二重三重のチェック体制で、安全性を追求しています。

検体の取り違えを防止する安全対策としては、採卵から移植までのすべての工程を必ず2名のエンブリオロジストによるダブルチェックを必須としております。使用する器具などには患者様によって名前の記入をそれぞれ色分けするなど精子・胚の取り違えの防止に努め、胚移植の際も担当のエンブリオロジストと医師、ナースによる二重三重のチェック体制で行われています。

設備イメージ

監修医師紹介

山本 篤 医師

神奈川レディースクリニック理事長 兼 院長

山本 篤 医師

神奈川レディースクリニックは、2003年の開院以来「無理のない医療」を大切に、患者様に寄り添ってまいりました。私もその理念を受け継ぎつつ、新しい医療の可能性を取り入れ、ご夫婦の未来を支える医療を実践していきたいと考えています。
妊活や不妊治療は目に見えない体の変化に向き合うため、不安を感じることも少なくありません。私は体の中で起きていることや今後の見通しを丁寧にお伝えし、納得感を持って治療に臨んでいただけるよう心がけています。
経験と最新の知見を融合させ、安心できる場で最先端の治療を提供してまいります。どうぞ安心してご相談ください。

経歴

東京大学薬学部薬学科卒
平成17年東京医科歯科大学(現、東京科学大学)卒業
平成17年~19年・27年~29年東京医科歯科大学附属病院周産女性診療科
平成19年~22年・29年~令和2年獨協医科大学付属埼玉医療センター
産婦人科・リプロダクションセンター  講師
平成22年国立成育医療研究センター 不妊診療科
平成22年~27年国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所
東京大学大学院医学系研究科分子生物学分野 :医学博士学位取得
令和2年~六本木レディースクリニック 神奈川レディースクリニック 勤務
令和7年神奈川レディースクリニック院長就任

資格・所属学会

  • 日本産科婦人科学会 専門医
  • 日本産科婦人科学会 指導医
  • 日本生殖医学会 専門医
  • 日本生殖医学会 指導医
  • 日本性科学会 理事
  • 日本性科学会認定 セックスカウンセラー
  • 日本受精着床学会
  • 日本人類遺伝学会
  • 日本がん・生殖医療学会
  • 日本生殖心理学会
  • 日本生殖医療支援システム研究会
  • 早稲田大学非常勤講師
  • Wellness AP Science 株式会社 医療顧問

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