卵子凍結が必要とされる背景とメリット
女性を取り巻く社会的環境の変化
近年は、働く女性が増えたことで晩婚化が進んでいます。
女性の平均初婚年齢は、1980年代では25.5歳でした。これに対し、2022年では29.7歳となり、第1子出生時の母の平均年齢も30.9歳に達しています。このように、晩婚化にともない妊娠を希望する時期が遅れるケースが増加しています。
参考:厚生労働省「人口動態統計」
20〜30代はキャリア形成にも重要な時期である一方で、妊娠にはリミットがあります。女性は働きながら結婚・妊娠・出産を考える必要があり、両立に悩む方も少なくありません。
そこで若いうちに卵子を凍結しておくと、将来の妊娠に備えることができ、ライフプランも立てやすくなります。
加齢による卵子の減少と老化
女性の年齢が高くなるほど妊娠率が低下し、流産リスクが上昇することがわかっています。卵子の質や個数は、加齢とともに減少していくからです。
卵子は原始細胞からできているもので、女性が生まれた時点で数がすでに決まっており、新しく作られるものではありません。出生時には100〜200万個あった細胞は、思春期には約30万個にまで減ってしまいます。その後も1ヵ月で約1,000個ずつ細胞が減少していき、30代後半からは減少のスピードが増していきます。このように、25歳の女性の卵子は25歳、35歳の女性の卵子は35歳と、卵子も同じだけ歳を重ねているのです。
しかし若いうちに卵子を凍結すれば、凍結した当時の年齢相当の妊娠率が期待でき、将来の妊娠率を上げられる可能性があります。


神奈川レディースクリニック理事長 兼 院長
山本 篤 医師
神奈川レディースクリニックは、2003年の開院以来「無理のない医療」を大切に、患者様に寄り添ってまいりました。私もその理念を受け継ぎつつ、新しい医療の可能性を取り入れ、ご夫婦の未来を支える医療を実践していきたいと考えています。
妊活や不妊治療は目に見えない体の変化に向き合うため、不安を感じることも少なくありません。私は体の中で起きていることや今後の見通しを丁寧にお伝えし、納得感を持って治療に臨んでいただけるよう心がけています。
経験と最新の知見を融合させ、安心できる場で最先端の治療を提供してまいります。どうぞ安心してご相談ください。